日本脳炎とは?
日本脳炎はウィルス感染症の一種で、発症すると脳組織や脊髄に炎症が発生し意識障害などを発生させます。日本脳炎は、日本を中心としたアジアの各地域で確認されている病気ですが、近年では南洋のパプアニューギニアやオーストラリアでも症例が確認されているなど、感染地域の拡大が深刻な問題になっています。
原因
日本脳炎の原因となる日本脳炎ウィルスは、主に「コガタアカイエカ」という蚊によって媒介されます。日本脳炎ウィルスは人間だけではなく馬や牛や豚などの大型動物にも感染し発病する性質を持っています。蚊は、これらのウィルス感染動物から吸血することでウィルスの感染源となる性質を持っています。特に豚やイノシシなどは、日本脳炎ウィルスの増幅を行なうことが多いといわれています。基本的に、温暖な気候の地域での感染例が多く見られ、日本国内では九州・沖縄地方での感染例が多いようです。
症状
日本脳炎は6日から16日の潜伏期間を経た後、発症します。初期症状としては、頭痛やめまい、嘔吐や寒気などが見られます。小児の場合は腹痛や下痢を伴うことがあります。症状が進行すると、光過敏症から意識障害や神経障害を引き起こし、重篤な後遺症を残すことがあります。日本脳炎ウィルスに感染しても発症しない場合が多いのですが、発症すると手遅れになる場合が多く子供やお年寄りなどの抵抗力が弱い人ほど危険と言えます。
人間以外での発病
日本脳炎は、人間だけではなく感染源ともなる馬や牛や豚でも発病します。症状は人間とほとんど同じで、神経障害や運動障害を引き起こします。牛や豚は、食肉としても扱われることがあるため、畜産業者にとって日本脳炎は頭を悩ませる存在といえます。日本脳炎の感染・発病があれば食用に出来ないだけでなく信用問題にも繋がるからです。
日本脳炎の治療法・予防法
基本的に、日本脳炎に有効な治療法は現在の所確立されていません。日本脳炎ウィルスを除去する抗ウィルス剤は開発されていないのと、症状を改善する治療法がないのが主な理由です。
治療
日本脳炎の治療では、対症療法で症状を緩和させて重態化を先延ばししていく姑息的治療が行われます。解熱剤や痙攣を抑える薬などの投与と共に高ステロイド剤の投与が行なわれます。
予防
日本脳炎は、ワクチンの投与によって発病を防ぐことが出来ます。日本でも日本脳炎ワクチンの予防接種が義務付けられていましたが、2005年の時点で一時休止されています。これは、ワクチンの接種で「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」という病気を発症するケースがあるためです。このADEMはいわば「軽い日本脳炎」といえる症状が現れる病気で、ほとんどの人は正常に回復しますが、20%の患者に後遺症が残る場合があります。そのため、ADEMを起こす可能性のある従来のマウス脳由来ワクチンから新型ワクチンへの切り替えを進めるために、予防接種は積極的には行なわれていません。現在は海外渡航者などの希望者にはワクチン接種が行なわれていますが、抗体を持たない小児の急増による日本脳炎の流行が危惧されています。
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